01■障害年金制度の沿革

障害年金の歴史はどのようなものでしょうか


 昭和19年に発足した厚生年金保険では最初から1・2級の障害年金が設けられていました。そして昭和29年の法改正で3級が新設されました。また精神障害も当初から障害年金の対象となっていました。

 昭和34年に創設された国民年金においては、保険料の拠出を年金支給の条件とした「保険主義」の考え方だけでなく、社会保障の考え方も大幅に取り入れられ、保険料を拠出した人々に対する障害年金と、20歳前に初診日のある人や、制度の発足した昭和36年4月1日前に初珍日のある人などを対象とした「障害福祉年金」の2本建ての仕組みとなりました。

 後者の「障害福祉年金」においては、保険料が納付されていないために財源は全額国庫負担となっていました。そのため無拠出という理由で所得制限があり、年金額も低額であるなど、障害者の権利保障の点では問題も含んでいました。

 国民年金の発足時においては対象外とされていた精神障害は昭和39年8月1日より、精神薄弱は昭和40年8月1日より、障害年金の対象に加えられるようになりました。

 昭和41年12月1日からは内部障害のうちでも、それまで対象外とされていた肝臓病や腎臓病も対象に加えられ、一応すべての傷病が障害年金の対象となりました。

 ただし無拠出制の「障害福祉年金」で2級が創設されたのは昭和49年3月1日からであるため、精神障害や精神薄弱で多くの人々が年金を受給できるようになったのは、この時以降のこととなっています。

 昭和61年4月1日の法改正では、障害年金も老齢年金と同様に2階建て年金の制度となりました。すなわち1階部分は国民年金から障害基礎年金が支給され、その上に2階部分として被用者年金(厚生年金保険/共済組合)から障害厚生年金や障害共済年金が支給されるようになりました。

 改正の目的は障害者間における不公平の是正ということで、主な柱は制度間の障害等級表を統一すること、及び無拠出年金を拠出年金と同額に引き上げることでした。

 これまで全額国庫負担だった無拠出年金の「障害福祉年金」は、拠出年金の年金と名称も年金額も同じ障害基礎年金となりましたが、財源は全額国庫負担から第1号被保険者や第2号被保険者など国民年金の加入者からの負担も含めたものとなり、社会保障制度の財源負担のあり方としては後退してしまいました。

 現行制度では20歳前に初診日のある人や、初診日において国民年金に加入していた人は、定額の障害基礎年金を受けます。初診日において厚生年金保険や共済組合に加入していた人は、原則として障害基礎年金に報酬比例の障害厚生年金や障害共済年金が上乗せされて支給されることになります。

 昭和61年の法改正において、厚生年金保険や共済組合に加入している人も国民年金に二重加入となったため、被用者年金に加入中の初診であっても、国民年金の障害基礎年金の受給要件を満たしていることが条件となりました。

 障害基礎年金は1・2級のみですが、障害厚生年金や障害共済年金には3級と、それよりも軽い障害に対する障害手当金があります。ただし障害手当金は障害の状態が固定していなければ対象になりません。

 現在、全障害年金受給者155万人のうちの約8割が国民年金の障害基礎年金受給者であり、その中心が無拠出年金での受給者で占められている、といわれています。

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