01■障害年金の様々な問題

欠陥をかかえている現制度


 障害年金は、その制度の仕組がむずかしすぎてわからないという問題があります。

 どうしてこのような事態に陥っているかについては、次のような事情があるためです。

  1. 法改正が過去に何度も行われ、旧制度の障害年金と新制度の障害年金が併存しているなど、制度上、大変に複雑であること。

  2. 障害認定の基準、方法が外部からわかりにくく、どの程度の障害であれば年金が受けられるか、その予想が困難であること。

  3. 「基礎年金制度」が導入されて、構造的には公的年金の制度間は共通となったにもかかわらず、厚生年金保険と国民年金の間で、あるいは都道府県によって、障害の認定が異なるなど法律と実際の運用面ではズレがあること。

    例えば、国民年金では日常生活能力で障害の認定が行われるのに対して、厚生年金保険では労働能力で認定される点があげられます。

    このため、国民年金では2級に認定されるほどの障害が厚生年金保険では3級にしか認定されない、という話をよく聞きます。

  4. 社会保障制度としての年金、特に障害年金は、社会的ハンディキャップも含めて評価するのが本来の姿であるはずにもかかわらず、評価の中心が医学的レベルでの障害にとどまっていること。

 以上のような事情に加えて行政側(市区町村の国民年金課や社会保険事務所)の窓口(担当職員)にも様々な問題があります。

 年金相談について十分な研修がなされていないようであり、障害年金を生活保護のような国の恩恵的な給付と勘違いをしている職員も少なくありません。

 相談の場所も面接室がなくて声が周囲に聞こえるなど、個人のプライバシーに対する配慮が欠けています。

 こうした状況のもとで、障害年金の相談に行ったら、頭から「その程度では支給しない」と言われたとか、「その程度でもらうのはむずかしい」と親身に取り上げてもらえなかったという話を耳にします。

 例えば、精神薄弱(精神発達遅滞)の場合、たとえIQが50〜70であっても、日常生活に支障があれば障害認定の対象となるにもかかわらず「IQが50以上ならば障害基礎年金の対象にならない」とか「共同作業所で働いていれば労働能力や日常生活能力はあるはずだ」と窓口で言われ、障害年金の申請用紙の交付すら拒否された例もあります。

 また「話をあまり聞いてくれない」「社会保険事務所と市区町村の窓口の言うことが違う」「診断書の用紙もなかなかくれない」というような苦情が本人や家族からしばしば聞かれます。

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